歯を失う原因には、むし歯、歯周病以外に歯根破折(歯の根が割れてしまうこと)があり、歯根破折が原因で数多くの歯が抜歯されているのが現状です。
当院では、一本一本の歯を、可能な限り良い状態にして保存したいと思いながら、治療を行っております。その考えの下、歯根破折(根が割れた歯)で普通なら抜歯される歯を保存する治療も行っています。
破折した歯根の状態によって治療法は異なり、口腔内で処理して接着する方法、小さい破折片を除去し、残りの部分を矯正力をかけて挺出(引っ張り上げる)する方法、また、根が割れた歯を一旦抜いて、口腔外で歯科用接着材を用いて接着して復元して、もう一度戻す(再植する)という治療法があります。
歯を抜くことになった場合、通常はブリッジや義歯が適用されます。また、当院ではインプラント治療や歯の移植治療も行っており、これらによって代わりの歯を作り、全く問題なく噛める状態にすることは可能です。しかし、根が割れた歯でも、できるだけ抜かずに保存したいと希望される患者様の治療の選択肢の幅を広げられればと考えております。
なお、これらの治療法は、保険診療外となりますので、ご了承願います。
また、根が割れた歯のすべてが救えるわけではなく、症例によって無理な場合もありますし、治療後の長期の保存が保証できない場合もあります。治療の可否に関しては、詳細な診査の上で判断させていただくことになる点は十分にご理解ください。
診査に関しては保険診療内で行えますので、受診を希望される患者様はご連絡ください。(ただし、電話での詳しい内容のお問い合わせにはお答えしかねる場合があります。)
院長が当院で行ってきた症例などをまとめて執筆した論文が、
歯科の専門誌の“歯界展望”2012年6月号の特集
“歯根破折歯を救う!-破折歯根の接着再植治療の実際”として掲載されました。
歯界展望
119巻6号
歯根破折歯を救う!-破折歯根の接着再植治療の実際-
根が割れた歯を一旦抜いて、接着復元して再植する治療法
小さい破折片を除去し、残りの部分を矯正力をかけて挺出(引っ張り上げる)する方法